モンキーバハの強化クラッチ交換後にギアを入れた瞬間にエンジンが停止する」といった問題に直面し、原因を探るために数日間格闘しました。数日かけて改善することができたので、今回はその内容を紹介していきます。
強化クラッチへ交換
モンキーバハに使用したのはキタコ製「3ディスクドライブユニット(ハイギアレシオ)」の強化クラッチです。私はキタコ製75ccライトボアアップキットを使用している為、同時装着を推奨されているこちらの製品を選びました。
クラッチが切れない症状とは?
クラッチ交換後、エンジンは問題なく始動しました。しかし、クラッチレバーを握り1速にギアを入れると、勢いよく前進すると同時にエンジンが停止してしまいます。これはクラッチが切れていない場合に発生する症状です。
念のため、エンジン停止状態でギアを1速に入れ、車体を押してみましたが、全く動きませんでした。このことから、クラッチが切れていないことが原因だと確信しました。
クラッチが切れない原因
組み付け手順の間違いを疑い、もう一度分解して組み直しを行いましたが症状は改善されませんでした。各パーツの順番を間違えているわけでもなければ、紛失しているパーツもありません。クラッチ調整をしても症状が改善されず、数日悩みました。
そこで、クラッチの仕組みと取扱説明書を再確認することにしました。するとクラッチが切れない原因について2つの可能性が見えてきました。
オイル循環不足の可能性
最初の可能性はオイルの循環不足です。ポンプで送り出されたオイルはクラッチカバー内のオイルラインを通過してクラッチ内部へと送られます。強化クラッチ内部に十分なオイルが行き渡らない場合、クラッチの動作不良が発生します。新品クラッチの場合、内部にオイルが満たされておらず、循環不足が原因でクラッチが動作していない可能性があります。
仮組み状態での組み付け
2つ目の可能性は強化クラッチ本体を仮組み状態で交換してしまっていることによる動作不良です。
キタコ3ディスクドライブユニットは仮組み状態で出荷されています。あくまで仮組み状態であり、輸送時の衝撃などで各部品にずれが生じる可能性もあるようです。また、取扱説明書では「各パーツに注油し、仮組みを修正する必要がある」と記載されていました。がこれを省略すると張り付きや焼き付きの原因になるそうです。
強化クラッチの組み直し
2つの可能性を考慮して再度、強化クラッチの分解・組み付けをおこなっていきます。
クラッチの分解と注油
仮組み状態のクラッチを分解し、各パーツ一つ一つにオイルを注油しました。
事前のオイル循環
スパークプラグを外した状態でキックを数回行い、オイルポンプで各部へオイルを送ります。その後、アイドリングを5分ほど行い、十分にオイルを循環させました。
エンジン始動して、いよいよ緊張の瞬間でした。結果、クラッチが切れるようになり、症状は無事に改善しました。
まとめ|再発防止のために注意すべきこと
今回、2つの可能性を同時に考慮して作業したため、本当の原因がはっきりとわからないままの形になってしまいました。しかし、クラッチ本体を仮組みのままクラッチ交換をしてしまう人は一定数いるのではないでしょうか。私の場合、幸いにもクラッチの張り付きや焼き付きによる不具合はありませんでした。予想外のトラブルを防ぐためにも、強化クラッチの交換では、取扱説明書に従いクラッチ本体の分解と注油を必ず行いましょう。また、オイル循環が不十分な状態で発進しないよう、事前にアイドリングを行い各部にオイルを行き渡らせるようにしましょう。
それでも改善されない場合はこちらの記事も参考にしてみて下さい。
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