赤ランプ点滅の正体は「石灰サイン」
デロンギの全自動コーヒーマシンを使っていると、突然赤いランプが点滅することがあります。
これは故障ではなく、「内部に石灰が溜まっています。除去してください」というサインです。

石灰は水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムが熱で固まったもの。
この白い付着物(スケール)は放っておくと以下のようなトラブルにつながります。
- 抽出温度が下がり、風味が落ちる
- コーヒーの出が悪くなる
- 内部配管が詰まり、最悪の場合は故障
この記事では、マグニフィカS(ECAM22112など)を例に、
除石灰の正しい手順・頻度・注意点を写真付きで解説していきます。
先に結論:除石灰は純正除石灰剤が安全・確実です。
クエン酸でも代用はできますが、濃度ミスや臭い残り、保証外になる場合あり。まずは純正でトラブルゼロに。
なぜ石灰除去が必要?どのくらいの頻度でやる?
水に含まれるミネラルは、加熱を繰り返すと白く固まり、
配管やボイラー内にこびりついていきます。
デロンギではこの堆積物を「スケール(石灰)」と呼び、定期的に除去することを推奨しています。

石灰除去の目安頻度(地域の水硬度による)
| 水の硬度 | 除石灰の目安 | 備考 | 
|---|---|---|
| 軟水(〜50mg/L) | 約4〜6ヶ月に1回 | 赤ランプが点いた時でOK | 
| 中硬水(50〜100mg/L) | 約3〜4ヶ月に1回 | コーヒーの使用頻度が高い人は早めに | 
| 硬水(100mg/L〜) | 約2〜3ヶ月に1回 | 早めの除去を推奨 | 
赤ランプが点滅したら必ず除石灰を行いましょう。
点滅を放置するとエスプレッソ抽出時の圧力が下がることがあります。
除石灰剤は「純正品」がおすすめ!クエン酸でもOK?
除石灰作業に使うのは、「デロンギ純正除石灰剤(DLSC200またはDLSC500)」がおすすめです。
メーカー推奨品なので、濃度や安全性が保証されています。

クエン酸でも代用できる?
家庭用のクエン酸を使っても石灰を落とすことは可能です。
しかし、以下のリスクがあります。
- 濃度が高すぎるとゴムパッキンを痛める
- 酸臭が残ることがある
- メーカー保証対象外になる場合がある
どうしても代用する場合は、「水500mLにクエン酸小さじ1〜2杯」を目安に希釈し、
必ず2〜3回のすすぎを行ってください。
できるだけ純正除石灰剤を使用した方が安心。
マグニフィカSの石灰除去手順(ECAM22112モデル)
では実際に、マグニフィカSで除石灰を行う手順を見ていきましょう。
① 除石灰剤を準備する
- 水タンクを取り外し、残り水を捨てる
- 純正除石灰剤(100mL)を水1Lに溶かして水タンクへ戻す

② 除石灰モードを開始
- 電源を入れる
- コーヒー抽出口の下に大きめの容器(約1.5L以上)をセット
- 除石灰ボタンを3秒長押ししてモードを起動

③ スチームノブを「ON」に回す
お湯と除石灰液が交互に排出されます。
この工程で内部の石灰が徐々に溶け出していきます。

15〜20分ほど経つと、ランプが再び点滅し、「すすぎ工程」へ進みます。
④ 水を入れ替えてすすぎ
- 水タンクを取り外して中身を捨てる
- 綺麗な水を入れ直し、再びセット
- スチームノブを再度「ON」にしてすすぎ開始

すすぎは最低2回行うのがポイントです。
薬剤が残ると、コーヒーの味に酸味や苦味が残ることがあります。
⑤ 除石灰完了を確認
すすぎが終わると、赤ランプが消灯します。
もし消えない場合は、すすぎ不足や操作手順のミスが考えられます。

ランプが消えない・除石灰が終わらないときの対処法
- すすぎを1回しかしていない
- スチームノブを「ON」にせず終了してしまった
- 除石灰剤の濃度が高すぎた/少なすぎた
この場合は、もう一度除石灰モードを最初からやり直すことで改善します。
ランプが消えないのは機械不良ではなく、完了判定が正しく行われていないだけのケースが大半です。
石灰除去とあわせてやりたいメンテナンス
石灰除去のついでに、以下の部品も掃除しておくと、風味がさらに安定します。
- 給水タンク → 中性洗剤で洗う
- コーヒーかす受けトレイ → 毎日すすぐ
- ミルクフロッサー → 使用後にお湯で洗浄

まとめ|石灰除去は「赤ランプがついたら即」が基本
- 赤ランプは「石灰サイン」
- 除石灰剤は純正が安全(クエン酸代用は慎重に)
- 頻度は水質と使用頻度による
- ランプが消えない時はすすぎ不足が原因

毎回の作業は少し手間ですが、
「おいしいコーヒー」と「機械の長寿命」のために、
ぜひ定期的な除石灰を習慣化してみてください。

 
 



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