PCXにおすすめのUSB電源|純正電源の実力と“ハンドル増設”で失敗しない選び方【PD/QC対応・防水・配線のコツ】

PCX160

iPhone

はじめに

  • PCXの純正電源はハンドル左下のグローブボックス内
    3型  (JF81・KF30) シガーソケット12W(12V・1A)
    4・5型(JK05・KF47) USB Type -C15W(5V3A)
    充電専用でエンジン稼働時に使用が基本。
  • ナビ運用や雨天走行を考えるなら、【ハンドル周りへの増設USB(PD/QC・防水・ACC連動)】が実用的。
  • 選ぶポイントは出力規格/ACC連動/取り付け位置。おすすめはDaytonaKaedear

結論:ナビで使うなら“ハンドル増設”が正解

PCXの純正電源はグローブボックス内。スマホをハンドルにマウントしてナビ表示する運用では、ケーブルの取り回しが悪く、蓋の開けっ放しは防水面でNG。そのため、ハンドル周りに増設USBを用意して、短いケーブルで確実に給電するのが実用上もっとも快適です。


まず確認:PCXの純正電源(アクセサリーソケット)はどこ?何W?

  • 位置:ハンドル左下のグローブボックス内
  • 端子:シガーソケット(3型)USB Type‑C(4型5型)
  • 定格出力:12V/1A=最大12W(3型) 5V/3A=最大15W(4型5型)
  • 使い方の基本:エンジン稼働中に使用/濡れた状態では不可/高温環境ではスマホの発熱に注意
PCX(3型)純正アクセサリーソケット位置(取扱説明書)
PCX(4型・5型)純正USBソケット位置(取扱説明書)
Screenshot

純正は“サブ充電”として非常に便利。ただしPD(USB Power Delivery)やQC(Quick Charge)には非対応で、炎天下の高負荷ナビでは充電がトントンになることも。


純正電源の“弱点”と、増設のメリット

純正電源の弱点

  • ケーブル取り回しが悪い(グローブボックスから外へ出す導線がない)
  • ナビ高負荷時出力が不足しやすい(明るさMAX、GPS/Bluetooth常時ONなど)
  • 防水上の制約(蓋を閉めてこそ機能する設計)

増設USBのメリット

  • ハンドル近くに電源があるため短いケーブルでスマホへ直給電
  • PD/QC対応モデルなら高負荷でもしっかり供給
  • 防水キャップやIP等級で雨天の安心感が高い
  • ACC連動でバッテリー上がりのリスクを低減

失敗しない「増設USB」選び方

  1. 出力規格
    • USB‑C(PD 18〜30W):最新スマホに相性◎。iPhone/Androidとも急速充電しやすい。
    • USB‑A(QC3.0/最大30W):A端子ケーブルを多く所有している人や周辺機器に。
  2. ポート数
    • ソロ中心なら1ポートで十分。ドライブレコーダーやインカムも同時に充電したいなら2ポートがおすすめ。
  3. 防水性
    • キャップ付は必須。IPX規格の明記があると安心。キャップの開閉方向操作性もチェック。
  4. 電源取り
    • ACC連動(キーONで通電)推奨。配線未経験ならブレーキスイッチ割込ハーネス車種対応ACCカプラーを使えば簡単かつ安全に取り付けが可能。
  5. 取り付け位置
    • ハンドルクランプ/ミラー基部が定番。スマホホルダーとの干渉、キャップの開閉スペースも確認。

PCXにおすすめのUSB電源 4選

1. Daytona|バイク専用電源 スレンダーUSB Type‑A(QC3.0/最大30W)

  • ポイントQC3.0 30Wの高出力。**本体幅約12.5mm(取付幅約14mm)**のスリム設計でスイッチボックス横に馴染む。φ22.2/25.4ハンドル対応防水キャップ付き。
  • 配線難易度:★☆☆(ブレーキスイッチ割込メインキー連動=ACCが簡単)
  • 向いている人Type‑Aケーブル資産を活かしたい/Androidや周辺機器の急速充電を重視。

2. Daytona|バイク専用電源 スレンダーUSB Type‑C(PD3.0/最大18W)

  • ポイントUSB‑C(PD3.0)最大18WでiPhone/Androidの急速充電に◎。**本体幅約11mm(取付幅約12mm)**の極細ボディ。**メインキー連動(ACC)**でバッテリー上がり抑制。
  • 配線難易度:★☆☆(ブレーキSW割込で簡単)
  • 向いている人C‑to‑C一本運用でスマートに使いたい。

3. Daytona|バイク専用電源 スレンダーUSB Type‑A+Type‑C(QC3.0/PD3.0・2ポート合計60W)

  • ポイントA(QC3.0)×1/C(PD3.0)×12ポート各ポート最大30W、合計60Wの余裕出力。取付幅約13mmのスリム設計でキー連動(リレー付)
  • 配線難易度:★☆☆(付属ハーネスでACC連動)
  • 向いている人スマホ+インカムなど2台同時充電したい/端子を選ばず使いたい。

4. Kaedear|スマートバッテリー&USBチャージャー KDR‑B13(2WAY)

  • ポイント走行中はUSB給電駐車中は車体バッテリー充電器として使える2WAYキーON/OFFに連動してモード自動切替。バッテリー維持のメンテナンス充電機能も。
  • 設置のコツシート下やフロントボックス内に設置し、配線はヒューズ近くで確実に処理。スマホ給電は短尺ケーブルで。
  • 向いている人乗車間隔が空きがち停車期間が長いユーザーの上がり対策に。

比較表

製品規格/出力ポート電源取り防水/機能
Daytona 41372QC3.0 最大30WType-A×1キー連動(ブレーキSW割込)キャップ
Daytona 17214PD3.0 最大18WTypeC×1キー連動(ブレーキSW割込)キャップ
Daytona 46392各30W(合計60W)Type-A×1

Type-C×1
キー連動(リレー付)キャップ
Kaedear KDR‑B13Tyep-A
最大100W
Type-C
最大22.5W


同時出力時
各15W (5V3A)
Type-A×1

Type-C×1
キー連動(リレー付)キャップ

※型番により細部仕様は異なるため、購入前に出力/付帯機能/固定方法を要確認。


取り付け前の準備(工具・パーツ)

  • 内張りはがし(樹脂クリップを傷めにくい)
  • 結束バンド(耐候タイプ推奨)
  • プラスドライバー/六角レンチ(ハンドル周りの固定に)
  • テスター(ACC電源の確認)
  • 自己融着テープ/収縮チューブ(防水・絶縁処理)
  • 付属ハーネス/ヒューズ(取付キット同梱のものを使用)
  • 必要に応じて:ミラーマウントステー/クランプ

あると便利:L字USB‑Cケーブル(短尺)ケーブルクリップ保護スリーブ


取り付けのコツ

  1. レイアウトを決める
    • スマホホルダーの位置を先に固定。USB本体は干渉しない側へ。キャップ開閉の指の入りしろも考慮。
  2. 配線ルートを下見
    • ハンドル→メーター裏→フロントカウル内へ。可動部のストロークで引っ張られない余裕を持たせる。
  3. 電源を“ACC連動”で取り出す
    • ブレーキスイッチ割込ハーネス車種対応ACCカプラーを使うと安全・確実。バッ直の場合はリレー+ヒューズで制御。
  4. 固定と防水
    • 本体はステー+ボルトで確実に固定。配線の分岐部は自己融着テープで巻き、下向きドリップループを作って浸水を防ぐ。
  5. 導通&急速充電確認
    • キーONで通電→スマホ側でPD/QCの急速充電表示を確認。キャップ開閉やケーブル抜き差しもチェック。
  6. 最終チェック
    • ハンドルフルロック左右で配線の突っ張り/擦れがないか。カウル組み戻し時に噛み込みゼロを再確認。

注意:エンジン停止中の長時間充電はバッテリー上がりの原因。雨天はキャップを必ず閉じること。電装の追加は自己責任配線の被覆傷金属部との擦れは発火・ショートの原因になる。


ケーブル選びで充電速度が変わる

  • USB‑C to CE‑Marker内蔵PD対応を。長すぎるとロスが出るので0.3〜0.5mを基準に。
  • USB‑A to C3A対応表記のあるものを。被覆が硬すぎるとハンドル操作の干渉を生むので、柔らかめが◎。
  • L字端子抜けにくく断線しにくい。見た目もスッキリ。

トラブルシューティング(よくある症状と対処)

  • 充電が増えない/減っていく
    • 画面輝度を少し落とす/不要なアプリを終了。
    • ケーブルをPD/QC対応品に交換。
    • 2台同時充電をやめて単体で挙動確認
  • 走行中に給電が途切れる
    • 配線の接触不良/本体の固定緩み/キャップの半開きを疑う。
  • ヒューズが切れる
    • 定格以上の機器を同時接続していないか確認。付属ヒューズ値に合わせる。
  • ノイズが気になる
    • 電源線を信号線(ドラレコ/カメラ)から離す。必要ならフェライトコアを追加。

純正電源(アクセサリーソケット)の上手な活かし方(サブ運用)

  • 走行中はハンドルの増設USBでスマホ給電、純正電源はモバイルバッテリーの充電に回す。

よくあるQ&A

Q1:純正USBだけでナビ運用は可能?
A:軽い使い方ならOK。ただし15WまででPD非対応。真夏の高負荷では**増設USB(PD/QC)**が安心。

Q2:バッ直配線はダメ?
A:不可ではありませんが、消し忘れ・待機電流でバッテリーが上がりやすくなります。ACC連動またはリレー制御を推奨。

Q3:雨の日はどうする?
A:基本はキャップを閉じて運用。挿しっぱなしはリスクが上がるので避けるか、防滴パーツを併用してください。

Q4:2ポート同時充電で遅い
A:合計出力の上限に達している可能性。合計W数各ポートの出力配分を確認。

まとめ

  • 純正USBはサブ充電として◎。**ハンドル増設USB(PD/QC・防水・ACC連動)**で実用性は段違い。
  • 配線はACC連動・確実な防水処理が肝。スマホ側は短尺・高品質ケーブルでロスを減らす。
  • ツーリングでも通勤でも、**“給電の不安ゼロ”**は快適さに直結。今日から整えておきましょう。

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