はじめに
- PCXの純正電源はハンドル左下のグローブボックス内。
3型 (JF81・KF30) シガーソケット12W(12V・1A)
4・5型(JK05・KF47) USB Type -C15W(5V3A)
充電専用でエンジン稼働時に使用が基本。 - ナビ運用や雨天走行を考えるなら、【ハンドル周りへの増設USB(PD/QC・防水・ACC連動)】が実用的。
- 選ぶポイントは出力規格/ACC連動/取り付け位置。おすすめはDaytonaとKaedear。
結論:ナビで使うなら“ハンドル増設”が正解
PCXの純正電源はグローブボックス内。スマホをハンドルにマウントしてナビ表示する運用では、ケーブルの取り回しが悪く、蓋の開けっ放しは防水面でNG。そのため、ハンドル周りに増設USBを用意して、短いケーブルで確実に給電するのが実用上もっとも快適です。
まず確認:PCXの純正電源(アクセサリーソケット)はどこ?何W?
- 位置:ハンドル左下のグローブボックス内
- 端子:シガーソケット(3型)USB Type‑C(4型5型)
- 定格出力:12V/1A=最大12W(3型) 5V/3A=最大15W(4型5型)
- 使い方の基本:エンジン稼働中に使用/濡れた状態では不可/高温環境ではスマホの発熱に注意


純正は“サブ充電”として非常に便利。ただしPD(USB Power Delivery)やQC(Quick Charge)には非対応で、炎天下の高負荷ナビでは充電がトントンになることも。
純正電源の“弱点”と、増設のメリット
純正電源の弱点
- ケーブル取り回しが悪い(グローブボックスから外へ出す導線がない)
- ナビ高負荷時に出力が不足しやすい(明るさMAX、GPS/Bluetooth常時ONなど)
- 防水上の制約(蓋を閉めてこそ機能する設計)
増設USBのメリット
- ハンドル近くに電源があるため短いケーブルでスマホへ直給電
- PD/QC対応モデルなら高負荷でもしっかり供給
- 防水キャップやIP等級で雨天の安心感が高い
- ACC連動でバッテリー上がりのリスクを低減
失敗しない「増設USB」選び方
- 出力規格:
- USB‑C(PD 18〜30W):最新スマホに相性◎。iPhone/Androidとも急速充電しやすい。
- USB‑A(QC3.0/最大30W):A端子ケーブルを多く所有している人や周辺機器に。
- ポート数:
- ソロ中心なら1ポートで十分。ドライブレコーダーやインカムも同時に充電したいなら2ポートがおすすめ。
- 防水性:
- キャップ付は必須。IPX規格の明記があると安心。キャップの開閉方向や操作性もチェック。
- 電源取り:
- ACC連動(キーONで通電)推奨。配線未経験ならブレーキスイッチ割込ハーネスや車種対応ACCカプラーを使えば簡単かつ安全に取り付けが可能。
- 取り付け位置:
- ハンドルクランプ/ミラー基部が定番。スマホホルダーとの干渉、キャップの開閉スペースも確認。
PCXにおすすめのUSB電源 4選
1. Daytona|バイク専用電源 スレンダーUSB Type‑A(QC3.0/最大30W)
- ポイント:QC3.0 30Wの高出力。**本体幅約12.5mm(取付幅約14mm)**のスリム設計でスイッチボックス横に馴染む。φ22.2/25.4ハンドル対応、防水キャップ付き。
- 配線難易度:★☆☆(ブレーキスイッチ割込でメインキー連動=ACCが簡単)
- 向いている人:Type‑Aケーブル資産を活かしたい/Androidや周辺機器の急速充電を重視。
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2. Daytona|バイク専用電源 スレンダーUSB Type‑C(PD3.0/最大18W)
- ポイント:USB‑C(PD3.0)最大18WでiPhone/Androidの急速充電に◎。**本体幅約11mm(取付幅約12mm)**の極細ボディ。**メインキー連動(ACC)**でバッテリー上がり抑制。
- 配線難易度:★☆☆(ブレーキSW割込で簡単)
- 向いている人:C‑to‑C一本運用でスマートに使いたい。
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3. Daytona|バイク専用電源 スレンダーUSB Type‑A+Type‑C(QC3.0/PD3.0・2ポート合計60W)
- ポイント:A(QC3.0)×1/C(PD3.0)×1の2ポート。各ポート最大30W、合計60Wの余裕出力。取付幅約13mmのスリム設計でキー連動(リレー付)。
- 配線難易度:★☆☆(付属ハーネスでACC連動)
- 向いている人:スマホ+インカムなど2台同時充電したい/端子を選ばず使いたい。
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4. Kaedear|スマートバッテリー&USBチャージャー KDR‑B13(2WAY)
- ポイント:走行中はUSB給電、駐車中は車体バッテリー充電器として使える2WAY。キーON/OFFに連動してモード自動切替。バッテリー維持のメンテナンス充電機能も。
- 設置のコツ:シート下やフロントボックス内に設置し、配線はヒューズ近くで確実に処理。スマホ給電は短尺ケーブルで。
- 向いている人:乗車間隔が空きがち/停車期間が長いユーザーの上がり対策に。
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比較表
製品 | 規格/出力 | ポート | 電源取り | 防水/機能 |
---|---|---|---|---|
Daytona 41372 | QC3.0 最大30W | Type-A×1 | キー連動(ブレーキSW割込) | キャップ |
Daytona 17214 | PD3.0 最大18W | Type–C×1 | キー連動(ブレーキSW割込) | キャップ |
Daytona 46392 | 各30W(合計60W) | Type-A×1 + Type-C×1 | キー連動(リレー付) | キャップ |
Kaedear KDR‑B13 | Tyep-A 最大100W Type-C 最大22.5W 同時出力時 各15W (5V3A) | Type-A×1 + Type-C×1 | キー連動(リレー付) | キャップ |
※型番により細部仕様は異なるため、購入前に出力/付帯機能/固定方法を要確認。
取り付け前の準備(工具・パーツ)
- 内張りはがし(樹脂クリップを傷めにくい)
- 結束バンド(耐候タイプ推奨)
- プラスドライバー/六角レンチ(ハンドル周りの固定に)
- テスター(ACC電源の確認)
- 自己融着テープ/収縮チューブ(防水・絶縁処理)
- 付属ハーネス/ヒューズ(取付キット同梱のものを使用)
- 必要に応じて:ミラーマウントステー/クランプ
あると便利:L字USB‑Cケーブル(短尺)、ケーブルクリップ、保護スリーブ。
取り付けのコツ
- レイアウトを決める:
- スマホホルダーの位置を先に固定。USB本体は干渉しない側へ。キャップ開閉の指の入りしろも考慮。
- 配線ルートを下見:
- ハンドル→メーター裏→フロントカウル内へ。可動部のストロークで引っ張られない余裕を持たせる。
- 電源を“ACC連動”で取り出す:
- ブレーキスイッチ割込ハーネスや車種対応ACCカプラーを使うと安全・確実。バッ直の場合はリレー+ヒューズで制御。
- 固定と防水:
- 本体はステー+ボルトで確実に固定。配線の分岐部は自己融着テープで巻き、下向きドリップループを作って浸水を防ぐ。
- 導通&急速充電確認:
- キーONで通電→スマホ側でPD/QCの急速充電表示を確認。キャップ開閉やケーブル抜き差しもチェック。
- 最終チェック:
- ハンドルフルロック左右で配線の突っ張り/擦れがないか。カウル組み戻し時に噛み込みゼロを再確認。
注意:エンジン停止中の長時間充電はバッテリー上がりの原因。雨天はキャップを必ず閉じること。電装の追加は自己責任。配線の被覆傷や金属部との擦れは発火・ショートの原因になる。
ケーブル選びで充電速度が変わる
- USB‑C to CはE‑Marker内蔵のPD対応を。長すぎるとロスが出るので0.3〜0.5mを基準に。
- USB‑A to Cは3A対応表記のあるものを。被覆が硬すぎるとハンドル操作の干渉を生むので、柔らかめが◎。
- L字端子は抜けにくく断線しにくい。見た目もスッキリ。
トラブルシューティング(よくある症状と対処)
- 充電が増えない/減っていく:
- 画面輝度を少し落とす/不要なアプリを終了。
- ケーブルをPD/QC対応品に交換。
- 2台同時充電をやめて単体で挙動確認。
- 走行中に給電が途切れる:
- 配線の接触不良/本体の固定緩み/キャップの半開きを疑う。
- ヒューズが切れる:
- 定格以上の機器を同時接続していないか確認。付属ヒューズ値に合わせる。
- ノイズが気になる:
- 電源線を信号線(ドラレコ/カメラ)から離す。必要ならフェライトコアを追加。
純正電源(アクセサリーソケット)の上手な活かし方(サブ運用)
- 走行中はハンドルの増設USBでスマホ給電、純正電源はモバイルバッテリーの充電に回す。
よくあるQ&A
Q1:純正USBだけでナビ運用は可能?
A:軽い使い方ならOK。ただし15WまででPD非対応。真夏の高負荷では**増設USB(PD/QC)**が安心。
Q2:バッ直配線はダメ?
A:不可ではありませんが、消し忘れ・待機電流でバッテリーが上がりやすくなります。ACC連動またはリレー制御を推奨。
Q3:雨の日はどうする?
A:基本はキャップを閉じて運用。挿しっぱなしはリスクが上がるので避けるか、防滴パーツを併用してください。
Q4:2ポート同時充電で遅い
A:合計出力の上限に達している可能性。合計W数と各ポートの出力配分を確認。
まとめ
- 純正USBはサブ充電として◎。**ハンドル増設USB(PD/QC・防水・ACC連動)**で実用性は段違い。
- 配線はACC連動・確実な防水処理が肝。スマホ側は短尺・高品質ケーブルでロスを減らす。
- ツーリングでも通勤でも、**“給電の不安ゼロ”**は快適さに直結。今日から整えておきましょう。
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